このお話は現預金が多大にある富裕層向けの暦年贈与の活用方法です。
暦年贈与は贈与税の基礎控除である110万円を贈与し続けて相続税対策として活用する方法です。
毎年110万円ずつ贈与すれば、5年で550万円、10年で1,100万円現金(現預金)を減らせるわけです。
ここでもう一歩踏み出して、贈与税を毎年支払いながら、相続税を支払った贈与税以上に節税する方法を提案いたします。
これは例えを出した方が具体的でわかりやすいと思います。
被相続人が現預金1億円のみで不動産はなく、法定相続人は配偶者はいなくて、お子様がお一人様。
これで、暦年贈与を活用して相続税を節税しようとします。
被相続人が13年後に亡くなった場合を想定して、相続税を計算します。
まず、何もしなかった場合、1億円がまるまる課税対象の金額になります。基礎控除が3,600万円ですから、控除後の課税金額は6,400万円です。
税率は30%で控除額が700万円ですから、下記の式のとおりになります。
(10,000(万円)-3,600(万円))×30%-700(万円)=1,220(万円)
ということで、何もしないと1,220万円が相続税額となります。
次に毎年110万円で暦年贈与すると、10年間で1,100万円贈与できます。
贈与された分を差し引くと残りは8,900万円が相続されることになります。
これを計算すると、
(8,900(万円)-3,600(万円))×30%-700(万円)=890(万円)
つまり、890万円が相続税額となります。
今度は積極的に贈与税を毎年払いながら、暦年贈与していくことを考えて毎年310万円10年間贈与します。
贈与税率が10%なので、毎年の贈与税の額は
(310(万円)-110(万円))×10%=20(万円)
となります。
10年間で贈与された額は3,100万円ですので、残りが6,900万円です。
相続税額を計算しますと、
(6,900(万円)-3,600(万円))×20%-200(万円)=460(万円)
10年間で支払った贈与税は200万円なので、相続税と贈与税を合わせると660万円となり、上記2例から比べると、各々560万円、230万円が節税できるということになります。
10年間支払う贈与税の分を支払わなくて年5%の複利で運用しても264万円強ですので、贈与税を支払わない場合と比べて166万円は節税できることになります。
今回はあくまでも現預金のみで計算しました。しかし実際は不動産、金融商品(株式など)などを総合的に考えて相続税対策をしなければなりません。
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